サウンドデザインに関する文書の翻訳

2007年9月28日金曜日

変調(AM)

えっと、電話はかけられるようになったんだけど、誰かが呼んでるってことを知るための音がないよね。さあ"変調"と呼ばれる新しいテクニックに移ろう。僕らは既にオーディオを増幅する要素を[*~]知ってる。2つのサイン波を足し合わせるんじゃなくって掛け合わせてみたらどうなる?これが変調だ。変調は新しいハーモニクスを加える、そしてそれは最初の2つの周波数とは異なったものだ。2つのオリジナルの周波数は出力された信号にも聴き取れるものだけど、他にも得られるということ。でも新しい周波数はランダムじゃなくて、ソースとなった信号と数学的な関係を持つ。どうやって?そうだな、変調を使うとたいていベースの周波数について対称的なハーモニクスが加わる。そしてシンプルな増幅やAM(振幅変調)はソースの和や差なんだ。言い換えれば、1200Hzと200Hzの成分をひとつにつないだとき、1000Hz(1200-200)ともうひとつ1400Hz(1200+200)を得るってこと。ピュアなAMはうってつけだね。信号Fを信号Mで変調すると、F+MとF-Mの2つの新しいハーモニクスを得る。これを聴くか、PureDataのパッチをダウンロードして下の図の出力と比べてみて。



ピュアデータファイル.pd
オーディオ.mp3

ちょっとずつベルの音らしくなってきたね。けどまだまだだ。呼び出し音の実例はもっとリッチで、沢山の周波数を含んだ複雑なスペクトラムを持ってる。変調を使って単なるランダムないくつかの新しい周波数を作り出す前に何故僕らがある特定の種類のスペクトラムを選ぶのかについて考えよう。呼び出し音の模倣に挑戦するひとつの方法は、ベルハンマーの効果を再生成することだ。初期の機械的なベルはソレノイドを内蔵していて、アーム付きの磁気ブザーがベルを固定する錘に付けられていた。振動の周波数はたいてい8Hzから20Hzだった。この周波数での変調はさえずりのような効果をもたらし、本物の電気機械仕掛けのベルの音と全く似ていないこともなかった。DTMFトーンもまた、聴いていて楽しかったけど、あれは技術的な機能としてちゃんと動くようデザインされた結果得られたもの。逆に呼び出し音はワイヤーを通して運ばれるためではなく、明確に復調され、どちらかと言えば人間の注意を引きつけるためにデザインされた音だ。ある音が他の音より人の注意をより引きつけるってことはどのようにして起こり、何故起こるのだろう?

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